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2012年8月23日木曜日

こわれゆく女

ふとした拍子で時間が空く。
その時間を有効利用するということだけは
今年は実行出来ているみたい。

吉祥寺のバウスシアターで上映中の
「こわれゆく女」を観てきた。
ニューヨークインディペンデントの父といわれる
ジョン・カサベテスの回顧上映期間ということで、
「こわれゆく女」意外にもデビュー作「アメリカの影」や
「オープニングナイト」、「フェイシズ」など、
いろんな作品がリストアップされていた。

「こわれゆく女」
原題は「A WOMAN UNDER THE INFLUENCE」だけど、
邦題も結構好きなネーミングセンス。

土木工事に従事しているニックとその妻メイベル。
子供を預け二人で過ごす日に夫の仕事が徹夜になり、
その日を境に少しずつ精神がおかしくなっていくという話。
劇中の音楽も少ないし、
過剰な演出もなく淡々と進んでいくのだけど、
愛情の深さ伝わる夫とテンションの高い妻のやりとりや、
妻をとりまく周りとの描き方が緊張感があって面白かったです。

旦那さんのニック役は、「刑事コロンボ」のピーター・フォーク。
無骨な感じがヤキモキさせるというか。
「そこで、怒鳴っちゃう?」みたいな事を思いながら観てると
作品の世界に入り込んじゃうわけで。
まぁ、そういう設定にあえてしていると思うんだけど。

奥さんのメイベル役にはジーナ・ローランズ。
僕には「グロリア」のイメージが強かったけど、
それとは真逆のテンションが高く危なっかしい役柄。
Coccoが主演してた「KOTOKO」に似てなくもないんだけど、
こっちの方が少しラフな感じ。
「そこまでやっちゃう?」みたいな事を思いながら観てると
作品の世界に入り込んじゃう訳で。
まぁ、そういう設定にあえてしていると思うんだけど。

二人の演技が心に迫っていたのと
ピントも時々ズレるんだけどそんなのお構いなしに
被写体を追いまくるカメラワークで、
すごくリアルに造られていました。

サスペンスでもないのに、全編、緊張感があった。

今月末まで上映しているとのこと。
劇場で観る機会などあまりないと思うので、
是非、チェックしてみて下さい。
http://www.baustheater.com

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