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2014年3月30日日曜日

T2 Movie selection vol.276

愛のむきだし(2008)
LOVE EXPOSURE

監督、原案、脚本:園子温
アクション監督:カラサワイサオ
エグゼクティブプロデューサー:横濱豊行, 河井信哉
プロデューサー:梅川治男
撮影:谷川創平
特殊メイク:西村喜廣, 石野大雅
特殊造型:西村喜廣, 石野大雅
美術:松塚隆史
編集:伊藤潤一
音楽:原田智英
主題歌:ゆらゆら帝国
VFXディレクター:馬場革
アクションデザイン:坂口拓
照明:金子康博
整音:小宮元
挿入歌:ゆらゆら帝国
録音:永口靖
助監督:森倉研弥
出演:西島隆弘, 満島ひかり, 安藤サクラ, 尾上寛之, 清水優, 永岡佑, 広澤草, 玄覺悠子, 中村麻美, 渡辺真起子, 渡部篤郎, 板尾創路, 岩松了, 大口広司, 大久保鷹, 岡田正, 倉本美津留, ジェイ・ウェスト, 深水元基, 吹越満, 古屋兎丸, 堀部圭亮, 宮台真司

アクション、ラブストーリー、エロ、グロ、コメディ、
何でも入っていて、尚且つエネルギッシュな快作。
もの凄くバカバカしい事に気がつくと感動してしまっている作品。



2014年3月27日木曜日

重いテーマとは裏腹にトリッキーな

TOHOシネマズ渋谷にて『それでも夜は明ける』を観てきました。
毎週水曜日は女性映画デーだったからなのか、
上映ギリギリに行ったら空いている席が最前列しかないと言う状態。。
ブラピも出てるしね。

アメリカの奴隷制度を扱っている重い内容でありながら、
作風はかなりエキセントリックな造りでした。
コレ、こんな大きな劇場でかけても良いの?って思ったくらい。

冒頭、主人公がサトウキビ畑で収穫作業をするシーンから始まる。
で、次にいきなり「何年前〜」みたいなテロップも無しに、
家族を幸せに暮らしていた頃のシーンが挿入される。
交互に挿入される映像の繋がりがよく解らないまま進み後から理解していく。
このカットバック、種類は違うけど『HANA-BI』に近いモノがあるね。

そうかと思うと見せたい部分は長く見せ、
そうじゃない部分は(観客目線で重要じゃない?と思うシーンも)サラッと見せる。
一見するとアンバランスな感じにも見えなくない構成が
凄く新鮮でした。

あと、音の使い方が結構カッコ良くて。
エレクトロっぽいサウンドが入ってくるんだけど、
単音のみが強調されて効果的に使われる。
"MUSIC"っていうより"SOUND"って感じ。
他にも、シーン前に唄っている描写があったとして、
その歌声のみ残して別のシーンとカットバックさせてたのも
対比が強調されて面白かったです。

撮り方も印象的な画が多かったです。
色んな所で言及されているけど、
物(主に楽器)の極端なクローズアップ、
首つりシーンのフルショット(ここでも背景で子供が暢気に遊んでるのが解ってそれが対比になっているのね)、
画面と同サイズのフルショットとか、
フォトジェニックだなぁ〜と僕好みの画造りが多かった。
手紙を待つシーンも必見。

こんなトリッキーな作風ながらも
ドラマはしっかり描いていてクライマックスに向けて盛り上がっていくんだけど、
引き際が意外とアッサリ。そして、ブラピ。
登場の仕方が唐突な感じさえして、コレはコレで面白かった。

監督はスティーブ・マックイーンと言う人。
あの伝説のアクション俳優と同姓同名の黒人監督で、これが監督3作目。
元々はビデオインスタレーションの人だったみたい。
ビデオインスタレーションからの映画かぁ。
我々、VJもやれなくはないと言うコトね。
前作『SHAME』はまだ未見だけど、この作品を観てかなり気になりました。

そして、まだDVD化されてないデビュー作、
『HANGER』がシアターイメージフォーラムで上映されるみたいです。
http://hunger.gaga.ne.jp

『それでも〜』同様にコレでもかとトリッキーな作風を見せてくれるんでしょうか。
これも凄く気になる。。

そんなこんなで『それでも夜は明ける』、
思いテーマだったけど、とても見応えのある作品だった。
ご興味ある方、是非観に行ってみて下さい。
http://yo-akeru.gaga.ne.jp

2014年3月23日日曜日

T2 Movie selection vol.275

ポンヌフの恋人(1991)
LES AMANTS DU PONT-NEUF
THE LOVERS ON THE BRIDGE

監督, 脚本:レオス・カラックス
製作:クリスチャン・フェシュネール
製作総指揮:エルヴェ・トリュフォー, アルベール・プレヴォスト
撮影:ジャン=イヴ・エスコフィエ
編集:ネリー・ケティエ
音楽:ベンジャミン・ブリテン
主題歌:デヴィッド・ボウイ, リタ・ミツコ
出演:ドニ・ラヴァン, ジュリエット・ビノシュ, クラウス=ミヒャエル・グリューバー, ダニエル・ビュアン, マリオン・スタレンス, エディット・スコブ

ジェットスキーのシーンや大道芸のシーンなど、
撮り方や編集が粗い事が魅力に感じられる作品。



2014年3月20日木曜日

登場人物少ない系映画に新たな作品がリストアップされたね。

登場人物が少ない映画、古くは『水の中のナイフ』や『内なる傷跡』、
最近でいうと『ゼログラビティ』とか。
コンセプチュアルな作品が多いのが特徴的で好きなジャンルだけど、
(まぁ、そんなジャンルないんだけどw)
先日観た『オール・イズ・ロスト』も同じ様な傾向の作品だった。

しかも、『オール〜』は台詞も殆どない。
舞台は大海原、一艘の船が遭難しかかっている所から始まる物語は
その後の展開を観客に想像させる内容だった。
『ゼログラビティ』では、サンドラ・ブロックだけでなくジョージ・クルーニーも
出演していたが、
この作品は、全編最後までロバート・レッドフォード一人。

船に乗るに至った過程くらいは描かれるだろうと思っていたら、
冒頭のナレーションであっさりと語られるのみ。
漂流していた貨物船の積荷が衝突して船に穴があく所から物語が始まる。
そんな始まりだけに「これどうやってドラマを造っていくんだろう」という事ばかり
気になってましたが(笑)、
シーンごとのディティールをとても丁寧に描いていてじっくり観られました。
芝居もオーバーリアクションは一つもなく、それも丁寧だなと。
自然の風景カットも少なく、ひたすらトラブルを乗り越えていく姿が描かれてました。
演技やカットのみならず、作品の造りも大手のアメリカ映画がやりそうな
ステレオタイプな感じではなく、
むしろタル・ベーラの『ニーチェの馬』のようなミニマルな感じさえした。
最後もスパッと終わって潔い構成でした。

海のど真ん中で、船一隻、そしてロバート・レッドフォード。
これって結構低予算で造られたんじゃないすかね。
(モチ、レッドフォードのギャラは凄かったと思うけど。。)
それでも、面白く造れるのは構成やディティールの細かさが効いているという訳か。

殆ど台詞がないだけに構成でみせる事を重視した為か、
釣りのシーンがそれまでの度重なるトラブルがあっただけに
不謹慎にも笑えてしまった。

トラブルで言えば、
船に穴があき、ひっくり返り、帆が折れ、救命ボートで脱出、SOSは無視され、
海にも投げ出される。そして釣り。
次から次へとやってくるトラブルを悲観せず淡々と乗り越えていく。
で、そんなレッドフォードを観ていると
この作品が、シチュエーションが実験的だからなのか、
伝えたいテーマが凄くよく解るのが不思議。
それ以外に思いつかないくらい解り易い(笑)
敢えて言わないけど、観た人全員に多分伝わると思います。

そんな実験的な作品だったけど、
劇場では、中高年の人が多く来てました。
やっぱり皆さん、サンダンスキッドに熱中した世代?

そんなこんなで『オール・イズ・ロスト』、
まだまだ劇場でやってますので、
ご興味ある方是非行って観て下さい。
詳細はこちら。

ヒカリエにて。

打ち合わせ前に時間があったので、
知り合いが関わっている渋谷のヒカリエで開催していたfashion showに行ってきた。


8階の1フロアで展示会兼Runway showといった感じで、
フォトグラファーや関係者の人だかりが出来ていた。


丁度、Japan Fashion Weekなんだね。
同時に展示会もやっていたので、
自分の作品で使いたいなと思える幾つかのブランドの人と名刺交換も出来て、
僅かな時間、立ち寄ったにしては有意義な交流が出来た。
このエネルギーをステップに次回作の構成も早く終わらせねばっ。

やっぱ英語勉強しておいて良かった〜と実感したひと時でした。

2014年3月18日火曜日

2014年3月16日日曜日

T2 Movie selection vol.274

アーティスト(2011)
THE ARTIST

監督、脚本、編集:ミシェル・アザナヴィシウス
製作:トマ・ラングマン
製作総指揮:ダニエル・ドゥリューム, アントワーヌ・ドゥ・カゾット, リチャード・ミドルトン, エマニュエル・モンタマ
撮影:ギョーム・シフマン
美術:ローレンス・ベネット
衣装:マーク・ブリッジス
編集:アン=ソフィー・ビオン
音楽:ルドヴィック・ブールス
出演:ジャン・デュジャルダン, ベレニス・ベジョ, ジョン・グッドマン, ジェームズ・クロムウェル, ペネロープ・アン・ミラー, ミッシー・パイル, ベス・グラント, ジョエル・マーレイ, エド・ローター, ビッツィー・トゥロック, ケン・ダヴィティアン, マルコム・マクダウェル, ベイジル・ホフマン, ビル・ファガーパッケ, ニーナ・シマーシュコ, スティーヴン・メンディロ

ハリウッド黄金期を描いたサイレント映画。
一部、カラーや台詞があるけど、
それらの使い方もよく効いている。

ビスタサイズでの撮影やエフェクトの使い方が
当時の雰囲気をよく表現している作品。





2014年3月15日土曜日

2週間ごとの作品公開

TOOWAIIのWEB SITEのTOPにて制作した映像をUPしていくコトになりました。



こんな感じ。

今までVJ PLAYの為に造ってきた映像の一部や
公開可能な映像作品をお見せしようと思っております。

造ったは良いがお蔵入りとか、

造ったは良いがVJの時に使う機会がないとか、
造ったは良いが「あ、うん。。そうですね〜。。。」みたいな反応の映像とか
(ってか、それ造る意味あるのか?w)
そんな作品をUP出来ればと思っております。

まだ試行錯誤段階ですが、
gifアニメかQuickTimeで公開していく予定。

YouTubeではなくTOOWAIIのwebサイトという

制約もあるので見せられても10秒くらいですが、
大体2週間おきくらいで定期的に変えていくので、
ちょくちょく遊びに来てね〜。

http://www.toowa2.com

2014年3月14日金曜日

下衆の極みに笑わされ。

映画館のCMを観ていていつも思うんだけど、
他の予告編に比べて映画泥棒のCMだけ音圧が低い様な気がします。
せっかくインパクトがあるんだから何だか勿体ないよね〜。
なんてコトを思いながら六本木ヒルズの映画館で
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』を観てきました。

『タクシードライバー』も『レイジングブル』も『カジノ』も観てはいるけど、
そこまで馴染みのなかったスコセッシ映画。
最近『クンドゥン』を観たのもあって僕の中ではタイムリーな監督。

お話は26歳にして証券会社を設立し年収46億円を稼いだ男の栄光と破滅の話。
なんだけど、
暗い雰囲気はなくキツいユーモアのあるコメディタッチの作品でした。
株で稼いだ金は、クルージングPARTYや売春婦に使いまくる。
酒やドラッグもやりたい放題っていう乱痴気っぷり。
凄まじいプレッシャーの中で稼ぎ出していくからこそ、
そのストレス解消としてのコレなんだなと思わせる乱交シーンだった。
この作品全体を覆うカオスっぷりが主人公のジョーダン・ベルフォードの世界観であり、
テンションの高さがスコセッシのエネルギーを表現しているんだなと思いました。

撮り方も映像制作に関わる人間として参考になるシーンが沢山あった。
『クンドゥン』を観た時も感じたけど、スコセッシ映画って編集の切れ味鋭いね。
緊迫感を出す時のカットバック、FBIの尋問シーンは
お手本にしたいくらいの編集だった。
これらは関わっているエディター、セルマ・スクーンメイカーさんの功績でしょうかね。
撮り方も唸るシーンが多かった。
ナレーションを引き継ぐ形で劇中のディカプリオがカメラ目線で語りかけたり、
トレーニングシーンでの鏡の使い方、ナイトクラブをスローシャッターで撮影する等、
僕好みの画造りが多かった。

上映は21時くらいから始まって終わってみれば24時前。
3時間近くあるのにテンションがダレるコトがないエネルギッシュな作品でした。
作品は下衆の極みみたいな内容なのに、終始笑わされてしまうという。。
劇場でも笑いが自然に漏れてました。

71歳にしてこの作品!
そして、『クンドゥン』から『ウルフ・オブ・ウォールストリート』までっていう
作品の振れ幅!
本当エネルギッシュな人だなぁ。。

次回作に遠藤周作の『沈黙』を予定しているっていうんだから、
恐れ入ったぜという感じです。

まだまだ上映中なので、
是非スクリーンで観て欲しい作品です。
詳細はこちらから。
http://www.wolfofwallstreet.jp

2014年3月10日月曜日

DJ playの撮影

DJやtrack makingで活動しているONIさんの
表参道ORIGAMIでのDJ playを撮影しました。



今回は7Dで撮影。
デジタル一眼の動画機能で撮ると音は使い物にはならないが(しかもクラブの爆音だと)、
録音をマニュアルにして音が割れない様にすれば、
なんとか使い物になりそうかなと思った。
ガンマイクとか使えればまた音質もあがると思うけど、
そうなるとビデオカメラの方が良いかもしれないね。
こんな撮影でビデオの必要性をまだまだ感じたりする。
なんだかんだ言っても餅は餅屋なんだね。
今後の課題だね。

ONIさんのDJ playは久しぶりの撮影だったけど、
選曲や機材も新しくなって撮ってて面白い撮影でした。
最近はPianoとDJのセッションバンド、
"Piano whit Headphone"も活発的に活動してて
今後の活躍も気になるところ。
サイトも要チェックです。


DJ Oni (a2precords.com) 
http://www.a2precords.com/oni.htm

2014年3月9日日曜日

T2 Movie selection vol.273

クンドゥン(1997)
KUNDUN

監督:マーティン・スコセッシ
製作:バーバラ・デ・フィーナ
脚本:メリッサ・マシスン
撮影:ロジャー・ディーキンス
美術:ダンテ・フェレッティ
音楽:フィリップ・グラス
出演:テンジン・トゥタブ・ツァロン, ギュルメ・テトン, トゥルク・ジャムヤン・クンガ・テンジン, テンチョー・ギャルポ

スコセッシがダライ・ラマの青年期を描いた作品。
夢のシーンや未来が見える描写で
イメージカットのカットバックを使って表現したのは凄く好きな描写。
そしてエフェクトとして駒撮りアニメも使っている。
出来ればチベット語で撮って欲しかったな。





2014年3月7日金曜日

まだまだ夢ってコトね。

空中をホバーリングして進むボードがyoutubeで紹介されていた。




「なんかBack to the future2みたいだ〜」なんて思ってたら、
出演してたクリストファー・ロイドも出てきたりして、
「えっ、ひょっとして子供の頃の夢が実現?」みたいな感じ。
若干、高く上がりすぎな感じもしたけど、
これ発売されたら、スケボー出来ないけど絶対買うな。

なんて、思っていたら。。。








種明かしの映像がFacebookに上がってた。。
ワイヤーは合成処理をしてたのね。

だよねー。
電源入った時のホバーリングの仕方がおかしいと思ったんだ。。
この映像、どうやらフェイクCMだったみたいね。
ここにWEBサイトがあった。
http://huvrtech.com

でも、サイトにアクセスしてみると、
こういったコトをやろうとしているみたい。
実現したら勿論買うだろうな。

P.S.
それにしてもクリストファー・ロイド、年とったなぁ。。。
Back to the futureも好きだったけど、僕は「マイホームコマンドー」の方が好きかな。

2014年3月3日月曜日

伝説の作品を観に行ってきた。

もはや伝説と化しているアンディ・ウォーホル監督作、
『チェルシー・ガールズ』を観てきました。
DVD化されてないし(おそらく今後もなさそう)、
シルクスクリーン作品はよく開催されることがあるけど、
映画の回顧展はあまりないから観に行くなら今しかなかった訳です。

最終日&最終回、締めの作品が『チェルシー・ガールズ』ってのは、
昨年を最後に紅白に出ないって言って
トリをはったサブちゃんに近いものがあるね。(違うか?)
そんな訳で開始ギリギリに行ったら既に立ち見となっており、
劇場から支給された座布団を敷きながら鑑賞するという
これまた貴重な体験をしてきたのでした。

先日観た『ヌード・レストラン』とは違って、
『チェルシー・ガールズ』はシネスコサイズの2画面構成。
画面、右側と左側にそれぞれ別の映像が流れる。
ある時は両画面の映像から台詞が聞こえたり、片方だけだったり、
映像もモノクロやカラー、カメラワークもフィックスやズームなど
左右に映し出される映像に関連性はないのと同じくらい、
脈絡なく色んな映像技法がくり出される。

あ、内容はというと特になく、
チェルシー・ホテルの客室にいる人達を交互に写していくといった
インスタレーションに近い作品といったもの。
左右の画面に映される会話の中身も関連性がない。

マルチ画面という形式だと、
ミシェル・ゴンドリーが撮ったチボ・マットのMVや


ズビグ・リブチンスキの"NEW BOOK"とか探せば他にも沢山あるけど、
ここまで左右がまったく関係していないという作品は始めてでした。
最後だけ一応エンディング曲が流れていたけど、
それも思いっきり唐突にしかも最後ブツッと切れてたもんね(笑)
そういや、エンドロールやタイトルもなかったな。

多くの映画がカットの連なりで意味付けられていくのに対して、
ウォーホルのそれはカットはおろか、1ショットのどれもに
関連性がないという作品でした。
ここまで観客に関連づけられるコトを避けていると、
一体、どういう意図があるんだろうかと
逆に知りたくなってしまうという。。

人生に意味はない、
その人生を切り取っている映画だから映画も意味なんてないんだよ
とでも言っているんだろうか?(笑)

技法も面白い試みが沢山されてて、
被写体(もはや役者というニュアンスではなくなっているw)に映像を投影したりと
プロジェクションマッピングの原型の様なこともやっていました。
でも、それぞれ意味はないという。。。(笑)

作品事にカメラはおろか、サイズも構成も全く違うウォーホル作品。
映画を通して何かを物語ると言うより、
「映画で試されている技法自体がテーマを表現している」
って感じがした作品でした。

2014年3月2日日曜日

T2 Movie selection vol.272

キカ(1993)
KIKA

監督、脚本:ペドロ・アルモドバル
製作総指揮:アグスティン・アルモドバル
撮影:アルフレッド・マヨ
衣装デザイン:ジャン=ポール・ゴルチェ
編集:ホセ・サルセド
音楽:ペレス・プラド
出演:ヴェロニカ・フォルケ, ピーター・コヨーテ, ビクトリア・アブリル, アレックス・カサノヴァス, ロッシ・デ・パルマ, サンティアゴ・ラフスティシア

アルモドバル作品の中でも色彩で楽しめる作品の一つ。
ポップでキッチュ、かつエグい。
狂言回し的役割で登場するTVレポーターの下衆っぷりが最高です。



2014年3月1日土曜日

拒否する映画

渋谷のイメージフォーラムで現代アートの旗手、
アンディ・ウォーホルの映画回顧展がやっていたので観て来た。

マリリン・モンローやキャンベルスープなど、
色使いから絵画や彫刻は親しみ易い感じがあるけど
(本当はかなり深くてとっつきづらいが入り易さはある)、
ウォーホルの映画は最初から少し取っ付きづらかった。
「逆に良いよね〜」みたいな代物でもなく。

今回見たのは『ヌード・レストラン』という作品で
タイトルの通り、出演者は何故か裸。
そして、長いモノローグから作品は始まる。
デモやカストロについて、セックスの話など、
様々な所に会話は飛火ししてまとまりはない。
おまけに無意味に踊ったり演奏シーンが入ったり。

でもって、カメラに向かって「まだ回ってる?」と確認をとるもんだから、
最初はドキュメンタリーなのかと思ったけど劇映画として進行していくという。

そんな感じでリアルとフィクションを行ったり来たりする。
その構成は観客に作品の世界に浸って観ることを拒否しているかのようだった。

この作品が造られたのが1967年、
フランスではヌーベルヴァーグが全盛だった頃に
こんな実験的なことをやっていたんだなと思うと、
全世界的にこういうコトが流行だったのかもね。
でも、ゴダールの実験性とは違って、
ウォーホルの方が表面的で政治性は薄い。

映像の表現も特徴があって、
フィルムノイズやスクラッチをあえて入れてきている感じもあった。
ジャンプカットのセンスも好きな感じ。
(音のノイズも酷かったから本当にミスっているのかもしれないけど(笑))
いずれにせよオシャレ感があるんだよね。

ウォーホルの映画はDVDにはなってなくて、
回顧展の様な機会じゃないと観られないので、
「貴重な体験だった」ってだけで満足っちゃ、満足なんだけど。
参考になる表現もあって、
観ておいて良かったと思える作品だった。

今回はもはや伝説化してしまっている作品、
『チェルシー・ガールズ』も観に行ったんだけど、
そのコトは次の日記にて。