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2014年3月27日木曜日

重いテーマとは裏腹にトリッキーな

TOHOシネマズ渋谷にて『それでも夜は明ける』を観てきました。
毎週水曜日は女性映画デーだったからなのか、
上映ギリギリに行ったら空いている席が最前列しかないと言う状態。。
ブラピも出てるしね。

アメリカの奴隷制度を扱っている重い内容でありながら、
作風はかなりエキセントリックな造りでした。
コレ、こんな大きな劇場でかけても良いの?って思ったくらい。

冒頭、主人公がサトウキビ畑で収穫作業をするシーンから始まる。
で、次にいきなり「何年前〜」みたいなテロップも無しに、
家族を幸せに暮らしていた頃のシーンが挿入される。
交互に挿入される映像の繋がりがよく解らないまま進み後から理解していく。
このカットバック、種類は違うけど『HANA-BI』に近いモノがあるね。

そうかと思うと見せたい部分は長く見せ、
そうじゃない部分は(観客目線で重要じゃない?と思うシーンも)サラッと見せる。
一見するとアンバランスな感じにも見えなくない構成が
凄く新鮮でした。

あと、音の使い方が結構カッコ良くて。
エレクトロっぽいサウンドが入ってくるんだけど、
単音のみが強調されて効果的に使われる。
"MUSIC"っていうより"SOUND"って感じ。
他にも、シーン前に唄っている描写があったとして、
その歌声のみ残して別のシーンとカットバックさせてたのも
対比が強調されて面白かったです。

撮り方も印象的な画が多かったです。
色んな所で言及されているけど、
物(主に楽器)の極端なクローズアップ、
首つりシーンのフルショット(ここでも背景で子供が暢気に遊んでるのが解ってそれが対比になっているのね)、
画面と同サイズのフルショットとか、
フォトジェニックだなぁ〜と僕好みの画造りが多かった。
手紙を待つシーンも必見。

こんなトリッキーな作風ながらも
ドラマはしっかり描いていてクライマックスに向けて盛り上がっていくんだけど、
引き際が意外とアッサリ。そして、ブラピ。
登場の仕方が唐突な感じさえして、コレはコレで面白かった。

監督はスティーブ・マックイーンと言う人。
あの伝説のアクション俳優と同姓同名の黒人監督で、これが監督3作目。
元々はビデオインスタレーションの人だったみたい。
ビデオインスタレーションからの映画かぁ。
我々、VJもやれなくはないと言うコトね。
前作『SHAME』はまだ未見だけど、この作品を観てかなり気になりました。

そして、まだDVD化されてないデビュー作、
『HANGER』がシアターイメージフォーラムで上映されるみたいです。
http://hunger.gaga.ne.jp

『それでも〜』同様にコレでもかとトリッキーな作風を見せてくれるんでしょうか。
これも凄く気になる。。

そんなこんなで『それでも夜は明ける』、
思いテーマだったけど、とても見応えのある作品だった。
ご興味ある方、是非観に行ってみて下さい。
http://yo-akeru.gaga.ne.jp

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