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2015年2月13日金曜日

3Dというか眼がロンパリン。

久しぶりに銀座で映画を観てきました。
しかも、久しぶりのゴダール。そして3D。

映画『さらば、愛の言葉よ』、いやー、凄かったですね。
批評家が好きな映画ってイメージが一番強い監督の作品なので、
観た人それぞれに色んな感想あると思いますが、
はっきり言って僕は笑えました。

『勝手にしやがれ』の時もそうだったんじゃないかと思うんだけど、
ゴダールって、映画とか3Dというものの仕組みとか構造をよく調べ、
「だったらこういうアプローチもあるんじゃなかろうか?」ってトライをする人だなと。

3D映画って映像を立体的に見せる為に右目と左目の視覚情報をずらして、
それを立体的になるように投影する。
当然、撮影の際も二眼レフを横にした様なレンズを使うんだけど、
ここでゴダールは「そんならカメラを同じ位置から二台並べて同時に撮って後で合成すれば立体になるんじゃないだろうか?」って考える訳です。

なるほどね〜、焦点距離さえ合っていれば左右の視点がズレる訳か。
はぁ〜、考えましたねー、世界の映画作家もココまで仕組みに詳しくないだろうから、
流石にそれは出来なかっただろうな〜。
ってワケで、2台同時に撮った映像を合成するとあら不思議!

3Dに!!


なってねーしw

そりゃそうだ、視点をズラすと言っても位置が変わったら構図も変わっちゃうからね〜。
しばらく自分の目がロンパリンになったのかと錯覚する状態が続きます。
そしてゴダールお得意の引用の嵐。

ただね、流石ゴダール、ここからが凄いんですよ。
これ、3D失敗してるよなぁと思って見てると、
右目用のカメラ(こういう言い方しか出来ないので便宜上申し訳なし。。)が
被写体が歩いてフレームアウトしようとすると右にパンするんですよ。
ロンパリンになった目がさらに混乱すると言う。。
ところが、再び元の位置に戻ってくると左右両方のカメラの焦点や構図が
ピッタリとあって3Dっぽく見えてくるんですね〜。

ウォーホルの『チェルシーガール』でも映像をレイヤーの要に重ねて投影し、
同時に作品を見せる手法を使っていたけど、それの進化系だよコレ。

他にも不必要に浮き出て見えてたり、
映画や文学の引用を観る度に「この人の感覚ってHIP HOP的だよな〜」と感心してしまったり、
笑いながらもその実験性に凄いなと思わされたのでした。

ヌーヴェルバーグの監督達の晩年が一般的な娯楽としての映画を
造っていたのにゴダールだけが今もなお実験的で、
フットワークの軽さを感じさせました。
(今回だってクルー少ないしね〜。)

69分と短い作品でしたが(まぁ、これ以上観るのはシンドイと思うけどね。。)、
新しい発見がある事は間違い無し!
そして、『ゼログラビティ』とは違った意味で"3Dじゃないと意味がない映画"じゃないかと。

ご興味ある方是非チェックしてみて下さい。
http://godard3d.com


あ、内容を話し忘れちゃったけど、
この映画、初老の男と若い女性と犬の話しね。

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