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2015年8月13日木曜日

まさに今観るべき映画なのではないかと。

ユーロスペースで映画『野火』を観てきました。
『鉄男』や『BULLET BALLET』、『KOTOKO』などエキセントリックな作風が
カルト映画ファンを唸らせてきた塚本晋也監督が『野火』を撮った。

作風と合わないイメージがしたけど、
描写は、これまでのスタイルが活きていて"らしさ"を感じさせる造りだった。
特に敵軍から銃撃されるシーンの肉片が飛び散る描写は、
正しい言い方ではないかもしれないが、十八番と行ったトコロだったし、
真に迫るモノがあって圧倒された。

ジャングルをさまようシーンでのオーバーラップは、
今までの塚本作品では見かけなかったので新鮮な感じもした。

日本軍のフィリピンでの加害者側の視点も描きつつ、
兵隊としてそうせざるを得なかった現実や仲間同士で殺し合う過程に至る描写等、
戦場で苦しむ兵士達の視点や帰国後の苦悩の描写など、
原作の世界観だけでなく綿密な取材を重ねたんじゃないかと思います。

この作品を観るちょっと前ですが、
友人の神直子さんが立ち上げたNPO法人Bridge For Peaceが行っている、
"かつて兵隊だった人"とフィリピンの"当時戦場だったレイテ島やミンダナオ島の人達"を
繋ぐ活動を記した書籍を読んだのですが、
今回の『野火』で描かれている事とリンクしている部分が沢山ありますので、
映画を観た方は合わせてこちらもチェックしてみる事をお勧めします。



戦場から運良く生きて帰って来て普通の生活に戻れても、
あの惨劇を記憶から消す事は出来ないし、かといって誰にも話せない。
そんな事も『野火』と神直子さんの書籍には共通して描かれていた。

そんな作品に触れて、改めて思う事は戦争は嫌だなというのが
一番最初に感じるコトで。
国と国のやり取りになると国民は見守るばかりで、
忸怩たる思いにも駆られますが、
自分達の足下まで感覚を降ろして今自分に出来る事は何なのか?というのを
考えたいですね。
どんな人にもやるべき事があるんじゃないかなと。

今回の作品を観て改めて自分の活動を考えさせられたそんな映画でした。
今、劇場で観ておくべき作品なのかなと思います。

ご興味ありましたら是非チェックしてみてください。
詳細はこちら。

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