と安易に言ってしまう事がある。
とても使い易く、よく口をついて出るこの言葉を
最近、意図的に使わないようにしている。
「応援してる」も同じ様なニュアンスかな。
相手の状況を踏まえずに言ってしまう事が多かったからだ。
代わりに出てきた言葉が「楽しんでね」
こちらの方が陽気な感じがあり、とても使い易い。
でも、何かがいつも引っかかっている。
多分、
本当に大事な人には「楽しんで」欲しいだけじゃなく、
「頑張って」貰いたいとも感じているからだ。
楽しく陽気に瑞々しく取り組むだけでなく、
苦しみ嘆きそれでも前を向いて頑張る姿を支え、
そしてそれに感化され、
自分も頑張ろうという気持ちになりたいのだ。
その事をいつも感じているから、「楽しんで」もどこかぎこちない。
だから「頑張って」を言うには自らも相手の現状をも受容せねばならない様な気がしてる。
勿論、楽しんで貰いたいんだけどね。
先日、園子温監督の最新作「ヒミズ」を観てきた。
舞台は震災後の街が舞台で、
両親に捨てられ、池でボート屋を一人で切り盛りしている男子中学生・住田と
家庭不和の女子中学生・茶沢がいかにして希望を持っていくかという話。
そこには、楽しめる状況などなく、悲惨な現状を前にして、
夢や希望を安易(の様にみえる)に説く教師が陳腐に描かれていた。
「夢や希望」はおろか「普通」である事すらままならない境遇。
そこでは、夢や希望が届きにくく、
現状に苦しみ嘆き、朽ち果てようとも、
生きていこうとする主役の二人とボート屋近くに住むホームレス達の姿が、
印象的だった。
そういう必死な姿に、自らを鼓舞しようという気持ちになれるのではないかと
「ヒミズ」を観て思った。
この映画は若者二人の絶望から立ち上がる姿を通して、
被災地に頑張ってもらいたいという気持ちを伝えたいのだと
感じました。
あと、オーケストラの使い方が上手いよな~とシミジミ。
「冷たい熱帯魚」を観た時も感じたね。
だから、園子温監督の作品は劇場で観た方が良いよ。
今月も早速劇場で映画を観た。