2013年6月13日木曜日

ひと味違うカンフー映画。

先週、ウォン・カーウァイの新作『グランドマスター』を観てきました。
「カーウァイがカンフー映画かぁ」と最初はピンと来ないモノがありましたが、
やはりウォン・カーウァイ。

幾多のカンフー映画とはひと味もふた味も違った作品でした。
というより、カンフーをモチーフとしながら
しっかりとドラマを描いていたというか。
『ブエノスアイレス』を観た時も感じたけど、
センセーショナルなモチーフを使っても
それに終始するのではなく主軸は人間ドラマという気概を感じました。

あと、おなじみのスローモーションの映像も満喫出来ました。
カーウァイといえばスローシャッターでの撮影。
今回はカンフーがモチーフだけに際立ってたね。

それにしても、
ウォン・カーウァイって毎度同じ顔で写っているね。
『ブエノスアイレス』のパンフも持っているけど、
その時の写真と殆ど変わってないというか。
まぁ、いつもサングラスしているので容姿があまり解らないんだけど。
ある意味、ビジュアル系な映画監督ね。

とまぁ、冗談はさておき、
内容は南北に別れている中国武術界の時代に
北のトップが引退する事になり
南北それぞれに自分の後継者を任命するというところから始まり、
後継者争い、チャン・ツィー演じる北の武術界トップの娘ルオメイの復讐、
日中戦争によって翻弄されるシーンに
八極拳や詠春拳、八卦掌といった武術のアクションシーンが
上手くmixされていてました。

ブルース・リーが習っていたと言う事で詠春拳は知っていたし、
セガサターンというゲーム機で発売されていた「バーチャファイター」で
八極拳は知っていたけど、
実際に観るのは初めてだったのでその拳法を
これだけの規模の映画で観られるのは凄いことだなと。

カーウァイ映画を観る時、映像が凄く綺麗なので、
撮影監督は誰なんだろうというのは毎回気になるんだけど、
今回はフィリップ・ル・スールというフランス人が
担当しておりました。
全体的に硬質な感じがあり若干セピアっぽい色調で
これまでとは黒が締まった画造りだった。

ブルース・リーの師匠であるイップマンという
実在の人が主人公なのも今までのカーウァイ作品とは違うし、
美術、衣装、編集で毎回参加しているウィリアム・チャンも
これまた良い仕事をしているのでココも見所です。

御興味ある方、是非チェックして観て下さい。

http://grandmaster.gaga.ne.jp

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