2014年6月30日月曜日

T2 Movie selection vol.286

マンボーグ(日本劇場公開特別版)(2011)
MANBORG

監督、脚本、撮影、編集、特殊造型:スティーヴン・コスタンスキ
脚本:ジェレミー・ギレスピー
出演:マシュー・ケネディ, アダム・ブルックス, コナー・スウィーニー, ジェレミー・ギレスピー, メレディス・スウィーニー, ルードヴィグ・リー

カナダの映像集団アストロン6が放つ近未来アクション映画、
VHS時代のオマージュ満載な音楽や映像の質感だけでも楽しめる。

低予算ながらアイデア一つ(ってかグリーンバックの合成多しっ!)で
色んなコトを乗り切っている魂の一作!



2014年6月26日木曜日

芸術作品を造るには、やはり"戦士"が必要なんだね。

『ホドロフスキーのDUNE』を観てきました。
『DUNE』と言えばデビッド・リンチが監督して賛否が大きく分かれたという作品。
元々はホドロフスキーが企画していて、
紆余曲折あって実現しなかったという経緯がある作品。
そんな『DUNE』が如何にして頓挫したのかを回想するドキュメンタリー映画。

ホドロフスキーと言えば『エル・トポ』や『ホーリーマウンテン』といった作品で
コアなファンを集める映画監督。
20歳くらいの時に観た時は難解過ぎてよく解らなかったけど、
強烈なイメージが記憶に残ったのを覚えている。

その2作が欧米で大ヒットして次に選んだのが『DUNE』という
フランク・ハーバートのSF小説。
読んだこともないのに決めちゃったという下りから、
いかにホドロフスキーが勢いがあったかと言うのが伺える。

この一大SF巨編の為に一流のキャスト、スタッフを集める。
ホドロフスキーは彼らを"戦士"と呼び志を共有しながら、
企画を進めていく。
監督が気に入った人達というのもあると思うけど、
関わるスタッフ、キャストには技術より芸術性や志を重視する。
その為に、世界中、どこであろうと、一人ずつ自ら交渉に行ってるのね。

その過程をまるで去年あったことかの様に喋る、喋る。
気がつくとカメラ目線、おまけにパントマイム仕込みのオーバーリアクションなので、
観ている観客に話しかけられている様な気分になってくる。

こういうエネルギッシュな人に引き寄せられる様に集まる人達の気持ちが解る気がしましたね〜。

メキシコ時代のこと、デビュー作のことも語られていて、
映画造りなんて全く無知な状態で始めたって言ってたけど、
『DUNE』の頃にはもの凄く詳細な画コンテを造っていたのが印象的だった。
画コンテだけで一冊の辞書みたいになってたしね。
哲学的な作品を造っているのと裏腹に作品の下準備の緻密さは凄かった。
それだけでも、実現したら凄い作品になっていただろうなと思わせる。

そんな作品が実現に至らなかったのが
資金でもキャストでもスタッフでもなくホドロフスキーを
ハリウッドの映画会社の人達が恐れていたからというのが
何とも皮肉な結末。

そうして企画は中止となるけど、膨大なアイデアは他の映画で引用され、
スタッフは『エイリアン』やキューブリック作品で活躍し、
『DUNE』で培われたエッセンスが色んなところに流用されていく。
そんなコトを考えてみると「世界を変えようと試みた映画『DUNE』」は
現世では夢だったけど、世界は変わったのだと考えることも出来る。

そんな落としどころにホドロフスキーの「失敗を恐れるな」と
カメラに向かって熱く語る言葉が胸を打つ。
これはクリエーターのみならず、どんな人にも共感出来るシーンだな。

そして、今回のドキュメンタリーがきっかけで
半ば決裂状態になっていたプロデューサーと劇的な再会を果たす。
その縁で来月公開のホドロフスキーの新作『リアリティのダンス』が
造られることになったというのも運命的な感じがします。

『DUNE』を巡るエピソードは他にも劇中で沢山語られるけど、
そんなこんなも是非劇場で観て頂きたい作品です。
かなりおススメです。

詳細はこちら。

2014年6月23日月曜日

初テント演劇。

TOOWAIIの映像作品に出演して頂いた役者、
広島光さんが所属している劇団、
"新宿梁山泊"の舞台に行って来ました。


初のアングラ演劇。
新宿の花園神社に突如として現れたテント。
入り口から不思議な雰囲気があった。


テント内はこんな感じ。
イベント会場の舞台裏の様な雰囲気の中、
座布団に座りながらの観劇。

お話は主人公の片眼に移植された通称"ジャガーの眼"にまつわるドラマ。
三幕構成の2時間40分。2回の休憩時間中にトイレ行ったり、
ストレッチしながらの観る方も食らいつく様にしてお芝居に集中する。

舞台上では美術が場面ごとに様変わりしたり、
扉が印象的に使われてて
お芝居なのにMV的なアプローチだなと思いながら観てた。
パンフレットに寺山修司の時代からって書いてあってたから、
こっちの方が先なんだね。

エアコンとかないので
出ている役者さん達は汗だくで演じているし、
観客も劇団の方から貰った団扇で扇ぎながら観ている。
その光景は、何だか昔のプロレスの試合みたいで凄く新鮮だった。
公演中建てられている会場は役者さんが交代でテント番をしているのだそうだ。

今回の公演の模様やテント演劇のコト、
詳細は広島さんのBlogにも載ってますので、
ご興味ある方是非チェックしてみて下さい。

2014年6月22日日曜日

T2 Movie selection vol.285

KOTOKO


監督、製作、脚本、撮影:塚本晋也

企画:Cocco, 塚本晋也

撮影:林啓史

原案、美術、音楽:Cocco

編集:塚本晋也

音響効果:北田雅也

照明:林啓史

整音:北田雅也

助監督:林啓史, 藤田奏

出演:Cocco, 塚本晋也, 加藤遙音, 嘉数心大, 山本響己, 山本奏太, 黒沼弘己, 大村達身


Coccoの演技の迫力が全編みなぎっている。
何だかBjorkみたいだった。
「世界が2重に見える」表現が怖いね。



2014年6月15日日曜日

T2 Movie selection vol.284

レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード(2003)
ONCE UPON A TIME IN MEXICO

監督、制作、脚本、撮影、プロダクションデザイン、編集、音楽:ロバート・ロドリゲス
製作:エリザベス・アヴェラン, カルロス・ガラルドー
出演:アントニオ・バンデラス, サルマ・ハエック, ジョニー・デップ, ミッキー・ローク, エヴァ・メンデス, ダニー・トレホ, エンリケ・イグレシアス, マルコ・レオナルディ, チーチ・マリン, ルーベン・ブラデス, ウィレム・デフォー, ティト・ラリヴァ

エル・マリアッチシリーズの第3弾。
銃火器の見応え十分な101分。
あと、演じている役者がとても楽しそう。

アメリカで監督、脚本のみならず、撮影や編集、音楽まで出来る体制なのは、
自分のプロダクションで完結出来る仕組みを持っているからなんだろうな。
商業的な部分を意識しつつ、自身の作家性を保っているのは流石だなと。
(まぁ、元々商業的なベースに乗っかりそうな作風ではあったけど。)



2014年6月9日月曜日

ライブ撮影 at GARRET渋谷

ちょっと前の話だけど、

GARRET渋谷にておこなわれたSAYUKIさんのライブが
youtubeにUPされていたのでご紹介。
撮影はTOOWAIIです。



この時はツァイスのplaner50mmのレンズを使用。
ツァイスのレンズはマニュアルフォーカスなので、
ピントの合わせが難しいが背景のボケ方がクセになるね。

SAYUKIちゃんやキーボード奏者のA-dream君の詳細は
ここから観られるので、
皆さん、是非チェックしてみて下さい。

Artist:SAYUKI http://sayuki.voce-music.com
Keyboard:A-dream Hiromu http://www.dreamcometrue.biz/

2014年6月6日金曜日

"JAPAN COLLECTION"でのVJ play

4月に江戸東京博物館にておこなわれたfashion show、
"JAPAN COLLECTION"でのVJ playをYouTubeにUPしました。



画面左下、ステージの上でゴソゴソしているのがT2です。
あ、いや、ゴソゴソじゃなくてVJ playです。

この時はVJのみならず、ステージの演出もやることになり、
いつもよりハードルの高い仕事だったけど、
こうして映像を観てみるとまぁまぁの出来だなと
ホッと胸をなで下ろす。
また、機会があればfashion showのステージ演出もやってみたいね。

2014年6月5日木曜日

二つ目のノミネート。

昨年、制作した短編映画『ENSEMBLE』がワシントン
で開催される
"COLOMBIA GORGE INTERNATIONAL FILM FESTIVAL"にて
オフィシャルセレクションとしてノミネートされました。



Art of Blooklyn Film Festivalに続いて二つ目のセレクション。
上映した時にまずまずの反応だったから、
他にも引っかかるかなと思ってたけど、徐々に反応が返ってきているね。

最初、コロンビアと聞いて「南米の?」と一瞬思ったのだけど違うのね。
開催地はワシントン州のバンクーバーです。
(これまた解りづらい(笑))

映画祭のサイトはこちら。
http://www.angaelica.com

https://www.facebook.com/angaelica

映画祭は8月の1日〜17日まで開催しているそうです。
今年の情報はこれからみたいなので、
詳細は随時BlogにてUPして行こうと思ってます。

今後とも当Blogを要チェックの程、
お願い致しまする。

2014年6月4日水曜日

牧歌的なNYが観たいなら

コーエン兄弟の最後の作品といわれている『インサイド・ルーウィン・デイヴィスー名もなき男の歌ー』を観てきた。

舞台は1960年代のNY。
伝説のミュージシャン、デイヴ・ヴァン・ロックをモデルにした話で
腕はあるけど運がない主人公の話。
「伝説の~」って映画の紹介にもあったけど、つい最近まで生きていた人なんだってね。
知人、友人、恋人の家を転々としながら音楽活動を続ける姿と
淡いグレーに近い色調の落ちた画造りからは
悲惨な状況ながらもどことなくユーモアを感じさせる内容になっていた。

『ドライブ』で強面のダメ夫を演じていたオスカー・アイザックが
今度は歌やギターは上手いが何とも情けない主人公を演じていて、
降り幅の凄さに驚いた。
共演には、キャリー・マリガン(同じく『ドライブ』でも共演)、ジャスティン・ティンバーレイク、
そしてコーエン作品ではお馴染みのジョン・グッドマン。
出演者が演奏したり歌うシーンは吹き替えなしで撮られていて、
これが皆歌が上手いのね。
J・ティンバーレイクは音楽活動をやってるし、主役のオスカー・アイザックも
音楽活動をやってた(ジュリアードを出ているらしい!)から解るけど、
キャリー・マリガンもかなり上手い。
そして、ライブで録った音質がとても綺麗だった。
演奏シーンは「マイクとかどこに仕込んだのか」とか
「切り返しショットの時はどうやって音が途切れない様にしているのか」とか
気になって仕方なかった。
っていうくらい違和感nothing。

話の展開はゆっくり目で寓話的なシーンが入ってきたりして
主人公のゆるさと同じテンポで物語は進む。
話がだれそうだなって感じた頃に小ネタを入れてきて笑わせたり驚かせたりと
さすが巨匠、解ってらっしゃる。

NYの街並も印象的だった。
先日行って来たから余計に目に付いたのかもしれないけど、作品の風景とNYの郊外って、そんなに雰囲気変わらないのね。
bedford以外は作品の様な建物が多かったな。
インターホンで呼び出すシーンやアパートの入り口、そこかしこにありそうだった。
(もちろんプロダクションデザインの方が色々と手入れしていると思うけどねw)
NYの知人に聴いたけど、ヨーロッパからの移民が造った住居を
彼らが居なくなったあと移住してきた人達がそのまま使っているのだそうだ。
おまけに地震も殆どないので倒壊することもないので、
今の建物がそのまま使えるというね。
日本だと年代を感じさせる作品はCGに頼ることが多いけど、
昔の建物が残されているとこういう作品はとてもやり易いね。

ラストのあっけなさに肩透かしを喰った感じもしたけど、
ルーウィン・デイヴィスの音楽人生がその後も続いてくであろうから物語もエンドマークを付けなかったって事なんですかね?
そういえば最近観た『アデル ーブルーは熱い色ー』でも似た様な終わり。
両者とも去年のカンヌの受賞作品。
最近の傾向?もしくは審査員の趣味?なんて思いながら劇場を後にしたのでした。

そんなこんなで『インサイド・ルーウィン・デイヴィスー名もなき男の歌ー』、
少しノンビリしている牧歌的なNYが観られます。
ご興味ある方、劇場に行ってみて下さい。


詳細はこちら。

2014年6月1日日曜日

T2 Movie selection vol.283

嘆きのピエタ(2012)
PIETA

監督、脚本:キム・ギドク
撮影:チョ・ヨンジク
音楽:パク・イニョン
出演:チョ・ミンス, イ・ジョンジン, ウ・ギホン, カン・ウンジン, クォン・セイン, チョ・ジェリョン

母親の復讐劇。
「アリラン」の次に公開された作品も
やっぱり一癖も二癖もある内容でした。

カメラがよく動く。