2018年9月6日木曜日

僕らが見たかった景色はこういうコトだったんだろうか?


Twitterで投稿したら文章が長くなってしまったので、
ブログにまとめました。


-------------------------

ちょっと前のことですが、「カメラを止めるな」をようやく観て来ました。
夜の回で公開から2ヶ月以上経っているというのに客入りが凄かった。。
ストーリーはと言うと。。。例に倣って僕も語らないでみる♪♪めっちゃ言いたくなる!オススメしたくなる!
曽根さんのカメラワーク、すごかったな。今度会った時にお疲れ様でしたと言いたいww

メイキングを見たら手持ち撮影だったから大変だったろうな。
緻密な構成とか伏線の回収がどうのこうのとSNSで書かれているのを目にしたけど、あの構成は伏線じゃなくてマエ説だよね。まぁ、別にいいけど。
まだまだ客足は途絶えてないし、面白い作品なのでオススメできる一品。
興行収益も10億突破するとかで周りにいるインディペンデントで活動する映画関係の友達も誇らしげだ。

皆、大変な思いをして造っているのだから、こんな瞬間が訪れても良いよね。
そんな風に湧き上がる「カメ止め」熱を浴びる度に僕はずっと気になっていたことがあった。

映画の興行収益は5〜6割が映画館、3割くらいが配給会社で残りを制作委員会が分け合うのだそうだ。(この仕組みもどうかと思うけどね。映画館、webで紹介しているくらいで大して宣伝してないくせにボリすぎでしょ?)
エンドロールを見ていたら今回は制作委員会じゃなかったのでこの場合は制作会社が2割をもらうことになるのだろう。



参照元
https://dot.asahi.com/aera/2016122600166.html?page=1



仮に興行収入を10億をすると制作会社のエンブゼミナールに粗利の2億が入ることになる。

で、この作品の制作費、300万。
おそらく出演者&監督はギャランティを貰ってないだろう。
エンブゼミナールって映画を撮る時に出演者からお金を募って作ることもあるんだとか。
仮に宣伝広告費に2,700万使ったとしても1億7千万円が制作会社に入るわけだ。

出演者やスタッフが連日舞台挨拶に来ているそうで。
細かい話になるけど、その交通費、出演費とかはどうなるのだろう。。。(ってか、もはやギャラでしょ。)

突飛な話で申し訳ないけど、
僕はこの現状を目にした時に、ナイキやアップルが製品を安く作れるからと東南アジアの工場に発注しているのを思い出した。
そこでは児童労働や強制労働が問題になっているそうだ。
安く仕入れて高く売るって考えも解るけど、やり過ぎると下策じゃないすかね?

最近でこそナイキはフェアトレードに取り組みだして改善の兆しを見せているが、
今回のケースが安く作って至福を肥やす(きつい言い方か。。)、あの状況に似ていると思ってしまうのは暴論だろうか?

こういうことを書くと「みんなで楽しんでいるのに水をさすな」みたいなことを言う人がいるけど、
楽しんで見ている作品がそのような環境下で作られていることは全く気にしなくて良いのだろうか?
気にしたところで何が出来る?って意見も解らなくないが、
「そこに意識が全くいかない」のは違うのではないだろうか?
事情がどうあれ、おかしいことはおかしいのである。

勿論、日本映画の現状が厳しいコトくらい外野の僕でもよくわかる。
そして、エンターテイメント業界に関わる人たちって
面白い事の為に頑張りたいと言う人たちが多いから、
面白い作品や革新的な作品に心血を注いてしまう、注がせてしまうなんてコトも多々ある。
(この場合、手弁当とかノーギャラとか赤字覚悟とかそういうことね。)

だから、旗を振る人(この場合は監督かプロデューサーになるのだろう)は、
「関わってくれる人に何がしかの対価を返さなければ」と言う気持ちでやらなければならないよね。
例え、相手が求めていなかったとしても。

僕は、この場合の対価ってお金だけじゃないと思ってて、
作品が映画祭に引っかかって評価をされたとか、出演がきっかけでオファーがきたとか。
新しい繋がりが出来てそこで雇用が生まれたとか。
(遠回しに自分のことを話しているようで申し訳ないっす。。。)
ビジネスっぽく言えば、「関わった人たちにその後の展開で新しい経済効果が生まれる」ということを示さないとダメなんじゃないかと思っています。

まぁ、それが受け取る側の人間が喜んでくれるかどうか、本当のところは解らないんだけどね。
でも、その努力が必要だと思っている。

だけど、それらの事例は売り上げが上がってない場合のことで、今回は既に10億の興行収益が出ているのだ。
百歩譲ってエンブゼミナールが今後も経営をしていく為に利益を確保したとしても
十分過ぎる程の利益は出ているのだ。
「関わった人たちに新しい経済効果が生まれる」額を既にこの作品で稼いでいるのだ。

映画館の支払いがいつなのか解らないけど、
制作会社は契約を更新し直してギャランティを払うべきじゃないか?と
エンドロールや客の入りを見て思ったのは、僕だけでしょうか?

でも、webマガジンとかで監督とプロデューサーが仲良く取材を受けているのとか見ると
「この人達、本当に解ってんのかな?」と思ってしまうのだ。

まぁ、こう言う問題って映画だけじゃないと思うんだけどね。
インディペンデントの映画人たちが報われる対応をして欲しいなと作品云々の前に思います。
話が長くなったのでここらで一旦やめます。


そんなこんなで「カメラを止めるな」オススメDEATH!!

0 件のコメント:

コメントを投稿