2012年11月5日月曜日

抽象化して新しいモノを造る。

最近、とある本で物事を抽象化すると
本質が見え新しいモノを想像するキッカケになるって書いてあった。
その本曰く、例えば「馬車」→「速く走るもの」→「車」という具合に。
そう考えていくと色々な事が置き換えられるな。

先日、シネマート六本木で観た『ヴァンパイア』も
「女性から血を抜き取る」というコンセプトを
新しく解釈した、そんな発想が感じられる映画だった。
(パンフを観たら発想の仕方が全然違ってたんだけど(笑))
『スワロウテイル』や『花とアリス』で知られる岩井俊二監督が
監督、脚本のみならず、撮影、編集、音楽、プロデュースと
一人6役背負って制作された映画。
今回はカナダで撮影されていて全編英語。
キャストも蒼井優を除いて全員欧米人なのに
どこか日本映画っぽい感じがありました。
日本映画っぽいというか、カナダで撮っても岩井俊二テイストがあったという感じ。
ウォン・カーウァイが『マイ・ブルーベリーナイツ』を撮った時も感じだけど、
どこで撮ってもテイストが変わらないって凄いなと。
最近、編集もやる映像作家って増えてきたけど、
撮影まで出来ると自分の造りたい世界観がより濃く出るのでしょうか。

お話としては、
血を飲む衝動に駆られる生物教師の男が、
自殺投稿サイトで自殺したい女の子を探しては殺人に及んでいる。
行為自体は立派な犯罪で衝動に駆られた殺人なんだけど、
一方で倫理観も持ち合わせているというキャラクター像が面白かったです。
シンプルな音楽と物語のテンポが静かなのが
センシティブな女子にウケそうな感じがしました。

そんな、
定番だった女性を上手く口説いては襲う吸血鬼のイメージとは違った
どこか内向的な感じさえする吸血鬼映画、
まだまだ公開しているので、
ご興味ある方は是非観に行って観て下さい。

http://vampire-web.com

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