2013年1月31日木曜日

お互いに歩み寄ってみようか。みたいな?

UPLINKでフィルムの行く末とデジタルの未来を探るドキュメンタリー映画
『サイド・バイ・サイド』を観てきました。
キアヌ・リーブスが企画制作&ナビゲーターまでしているだけあって、
映画監督、撮影監督、カラーリスト、編集者、カメラ開発者など、
世界的に有名な映画人がわんさか出演してる。
監督だけでもマーティン・スコセッシやジョージ・ルーカスといった
大作を撮る監督から、
ラース・フォン・トリアーやダニー・ボイル、デビッド・リンチなど
アーティスティックな作品を撮る監督まで
考え方が全く違う人達がそれぞれの考えを主張する。

徹底的にフィルム派とどっちもありだよねという中道派、
それと徹底的にデジタル派の3つの主張が、
交錯する作品。

フィルムにウンザリした人は徹底的にデジタルだし、
フィルムに愛されている人はフィルムLOVEのまま。
その中でマーティン・スコセッシが割と中立な立ち位置にいる。

撮影監督も『地獄の黙示録』を撮った
ヴィットリオ・ストラーロや
スコセッシ作品で知られるミヒャエル・バルハウス、
デジタル撮影の先駆けの様な存在のアンソニー・トッド・マントルなど、
これまた凄い人達が出て来る。

フィルム、デジタルの機材の問題だけでなく、
撮影監督が画を見せてくれないから
デジタルを選んだデビッド・フィンチャーや
自分でカメラを回すからデジタルを使っていると言うロバート・ロドリゲス、
一方で自らの権利を主張する撮影監督との間で、

感情的な部分も垣間見えたりして、
単純に画質だけの問題じゃなくなってくる展開。
ぶつかりあう主張が印象的でした。


合間にフィルムやデジタルの記録する際の科学現象なども丁寧に説明されていて、
普段から7Dやデジタルビデオを使っている僕も
「こうやって記録されているのね」と勉強出来たのも面白かったです。

で、僕らの様なデジタル世代は何処らへんに出て来るかというと
最後の方に出てくるわけ。
「映画はフィルムだ」、「いや違う」と喧々諤々の論争をしている人達から
大きく外れているのね。
ってか、最近はフィルムっぽく撮影出来るiphoneアプリなんてのも
出てきているくらいだから、
フィルムかデジタルかなんて言ってる場合じゃないんだけどね。
モタモタしているとどっちのカメラも駆逐されちゃうんじゃない?

偉大な映画人が沢山出て来て映画の未来を考えるこの作品、
僕的にはバルハウスの

「あらゆることに共通する真理がある。自分が納得した上で情熱と愛情を持って何かをするなら、手段は関係ない。」

という言葉が印象的だった。
さすがバルハウス!
伊達にファスビンダー作品に関わってないね。

そんな氏のメインカメラはデジタルでした。


そんなこんなで、
カメラの歴史や開発者の意見等も観る事が出来て、
中身の濃いドキュメンタリー映画でした。

ご興味ある方は是非UPLINKに行って観て下さい。
詳細はこちら。
http://www.uplink.co.jp/sidebyside/

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