自分の事ですが、
よくVJ playや映像制作の過程を
写真や動画を使ってネット上で公開したりします。
少しでも露出を計りその公開された写真や動画によって仕事になったり、
自分のブランディングになったりする。
youtubeやFacebook, Twitterって仕事でもかなり重宝しているツール。
ところが、誰でも使える様になって使われ方も千差万別になってくる。
"何かを得る為"の宣伝目的だけではなく、純粋に「旅行に行った~」とか「ご飯食べた~」とか、
UPして注目を集めるコト、盛り上がるコト、それ自体が目的になるというか。
でも、仕事の宣伝目的であれ、旅行の報告であれ、
"注目される事"を目的にしているのであれば、
その後の展開はさておき、どちらもそんなに差異はない。
やっぱ使い方は千差万別。
先日見た『ブリングリング』、
お話は10代の男女の窃盗団がセレブリティの自宅に空き巣に入る内に
ネット上で話題になって~という話。
盗んだ洋服や小物を身につけてクラブに行きその模様をFacebookでUPする。
それが話題を呼び羨望の的となり盗みを繰り返す。
話の内容としてセレブの家に入って盗んで、
盗品を身にまとってクラブで遊ぶって展開が何度も続くから、
テンポがだれるなというのを感じました。
見ていて、同じ盗み劇(こういうジャンル名ないけどね。。)の「スリ」を思い出し、
「これ、R・ブレッソンが撮ったらもっとディティールを細かく描こうとしただろうな」とか思ったけど、
盗みの手口も意外とアッサリしたものなので、克明に描く程の事でもなく。。。
また、Facebookに写真をUPしているので秘密裏に行われる展開でもないので、
当然、捕まるんだけどその後の展開も、
仲間を騙して逃げる展開になると思いきやあっさり捕まったり、
(逃げの手口も、10代の子が安易に考えそうなもので)
エマ・ワトソン扮するニッキーが急に逃げの一手を打つ為に
自己主張し始めるんだけど、これがまた盛り上がりに欠ける。
この作品は実際に起こった事を題材にしているけど、
いくら題材が衝撃的だったからといって、
それがそのまま作品として面白くなる訳ではないのね。
あ、あと、
マーク役の男の子が容姿に自信がなくて~と語る下りがあるんだけど、
いや、そうでもない様な。
盗んだ服を来たらすぐにカッコ良く見えてきちゃったりして
ブサイク感が薄いと思うんだけど。。
これなら登場人物が同じ構成で同じく盗み劇&クラブで遊ぶ展開の『スプリング・ブレイカーズ』の方が
寓話めいていて僕は好きだなぁ。
まぁ、逆にアンニュイさを表現する為に合えてゆるいテンポにした作品もあるから、
一概にゆるいのが悪いとは思わないけど、
これってそういう類いの作品じゃないよね?
とまぁ、ここまで批判的な感じの文章を書いてしまったけど、
冒頭のリビングシーンに表現されている、
淡いベージュの内装から品のある人達なんだなと感じさせるとか、
Facebookに写真をUPする際の写真の画面構成など、
いくつか良いシーンもありました。
あ、あと、
クラブでのPARTYシーンの撮り方上手だった。
きっと監督のソフィア・コッポラもよく遊びに行ってるんじゃないすかね。
ここら辺、日本はどうかっていうと、
クラブというよりディスコになってしまっている。
ダンスミュージックが流れていて踊っているのはどっちも同じなんだけど
その微妙な違いって遊び慣れてない人には解らないよね。
さらにはPARTYとEVENTの違いも。
ちなみに『ブリング・リング』で描かれていたのはクラブの"PARTY"でした。
それにしても、この映画でFacebookが効果的に使われてたけど、
Facebook、特に「いいね」機能って一体なんなんだろうね。
押してもらったところで関心の度合いとしては、
「マヂすごいね」から「どうでもいいね」まで様々だと思うんだけど。
これって、きっとUPされた写真や動画が
PARTYやEVENTの様に盛り上がる為のツールとして機能しているんだろうね。
で、UPした人が祭り上げられるという。
その過程ってクリエーターの作品発表と大して変わりはないのに、なんか違和感がある。
多分だけど"盛り上がる為のツール"として機能している写真や動画に
UPした人の責任があまり感じられないのよね。
もしかして、それを表明してないだけ?
もちろん、全部が悪い訳じゃないし表現する事は自由だと思うけど、
良いも悪いも含めてそこに責任ってあるよね~。
自由には責任がついて回るから皆自由を恐れる訳で。
ってなコトを思い返してみると、
この映画って「責任が問われる事なく注目されるということだけが抽出された現象の成れの果て2パターン」という事を
表現したのかなと終わってみて感じました。
そう考えりゃ、この展開もありなのか。。。
そんな訳でご興味ある方は是非~、
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