2013年10月10日木曜日

"ウルッとくるゾンビ"を描いた映画でした。

先日、キネカ大森にて『Miss Zombie』を観てきました。
初めて行った映画館だったけど、
街に根付いている感じのする場所でした。
劇場内の座り心地もとても良い。

新作が公開される度に追いかけていたSABU監督の新作と言う事で
観る前から楽しみでしたが、
やっぱり良い意味で期待を裏切られましたな。

お話は、
ある一家に一時の間預かって欲しいとゾンビが送られてきて、
狼狽えながらも仕方なく家で飼う事になるのだけど、
当然、町の人から忌み嫌われ、心を開くのは飼っている家の妻と息子の健一君のみ。
そんなある日、事件が起こり健一君が溺れて死んでしまい、
それをゾンビが生き返らせた事から、
家庭や周囲の反応が少しずつ変わっていくという内容。

他のゾンビ映画と違って
ゾンビが人間らしくなっていき、
人間がゾンビの様に凶暴になっていくという
ひねりの利いた設定が面白かったです。
ゾンビが走って逃げていき、人間がそれを追っかけるシーンとか
ハラハラドキドキするんだけど不思議なシチュエーションというか。

モノクロのシネマスコープなのも新鮮だったし、
光と影の使い方も凄く綺麗で、
ススキ(のようなもの?)が舞って光が反射する画とか
低予算で撮ったとは思えない画造りだった。

SABU監督と言えば、
『弾丸ランナー』『ポストマンブルース』『MONDAY』といった、
スピード感のある内容にワクワクするのを楽しみにしている観客も多いと思うけど、
今回はそのスピード感が局所的に抑えられていて、
静寂さとミニマルさを感じさせるけど、
見応えは十分だった。

主演の女の子はゾンビ役だから一言も話さないんだけど、
人間の記憶を徐々に取り戻していき、
愛情を自分が甦らせた子供に投影するという過程が
よく表現されていて、観ていてウルっときてしまいました。

先日観た「ウォーム・ボディーズ」もそうだったけど、
今までの「ゾンビ映画」というイメージを捻った作品が
増えてきた様に思います。
こういうゾンビ映画もありだね。

そんなこんなで『Miss Zombie』
ご興味ある方は是非観に行ってみて下さい。

詳細はこちら。
http://www.miss-zombie.com

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