2014年3月1日土曜日

拒否する映画

渋谷のイメージフォーラムで現代アートの旗手、
アンディ・ウォーホルの映画回顧展がやっていたので観て来た。

マリリン・モンローやキャンベルスープなど、
色使いから絵画や彫刻は親しみ易い感じがあるけど
(本当はかなり深くてとっつきづらいが入り易さはある)、
ウォーホルの映画は最初から少し取っ付きづらかった。
「逆に良いよね〜」みたいな代物でもなく。

今回見たのは『ヌード・レストラン』という作品で
タイトルの通り、出演者は何故か裸。
そして、長いモノローグから作品は始まる。
デモやカストロについて、セックスの話など、
様々な所に会話は飛火ししてまとまりはない。
おまけに無意味に踊ったり演奏シーンが入ったり。

でもって、カメラに向かって「まだ回ってる?」と確認をとるもんだから、
最初はドキュメンタリーなのかと思ったけど劇映画として進行していくという。

そんな感じでリアルとフィクションを行ったり来たりする。
その構成は観客に作品の世界に浸って観ることを拒否しているかのようだった。

この作品が造られたのが1967年、
フランスではヌーベルヴァーグが全盛だった頃に
こんな実験的なことをやっていたんだなと思うと、
全世界的にこういうコトが流行だったのかもね。
でも、ゴダールの実験性とは違って、
ウォーホルの方が表面的で政治性は薄い。

映像の表現も特徴があって、
フィルムノイズやスクラッチをあえて入れてきている感じもあった。
ジャンプカットのセンスも好きな感じ。
(音のノイズも酷かったから本当にミスっているのかもしれないけど(笑))
いずれにせよオシャレ感があるんだよね。

ウォーホルの映画はDVDにはなってなくて、
回顧展の様な機会じゃないと観られないので、
「貴重な体験だった」ってだけで満足っちゃ、満足なんだけど。
参考になる表現もあって、
観ておいて良かったと思える作品だった。

今回はもはや伝説化してしまっている作品、
『チェルシー・ガールズ』も観に行ったんだけど、
そのコトは次の日記にて。

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