2014年8月25日月曜日

80過ぎても健在だなぁとシミジミ。。

韓国から帰ってきて少し時間に余裕が出来たのもあり、
新宿のシネマカリテにて『リアリティのダンス』を観てきました。

ホドロフスキーの23年ぶりの新作という事で、
新聞や雑誌で話題になっていたのもあり、
公開から結構時間が経っているけど劇場はほぼ満席でした。



今回は監督の自伝的要素が強い作品で、
撮影されたのも故郷チリのトコピージャ。
権威的な父親と献身的な母、その夫婦の間に生まれた息子の3人の話。

伝説となっているカルト作品、
『エル・トポ』や『ホーリーマウンテン』からすると、
少し感傷的な感じもするけど、
色彩感覚とセオリーにとらわれない作風、
どこか哲学的なんだけど俗っぽい雰囲気は健在といった感じ。
ってか、80過ぎてあんなに自由にイメージを膨らませられるって凄いね。
序盤の海のシーンやサーカスのシーンは一度観たら忘れられない。

ご家族が役者や音楽、衣装デザインで関わっているけど、
それらをパトリス・ルコント作品の「橋の上の娘」や「ドゴラ」の撮影監督
ジャン=マリー・ドルージュがしっかり撮りあげている感じがした。

インタビューにあと3本、いや5本撮りたいと言っていて、
次回作を準備中というから楽しみですな。
是非、オリヴェイラくらい長生きして作品を造り続けて欲しい。

今年は『ホドロフスキーのDUNE』が公開されて、
ホドロフスキー関連の書籍や原作のバンドデシネ(コミック)も発売されているので、
これを機会にホドロフスキー作品をチェックしてみては如何でしょうか?

ご興味ありましたら是非。
詳細はこちら。
http://www.uplink.co.jp/dance/

2014年8月24日日曜日

T2 Movie selection vol.291

スプリング・ブレイカーズ(2012)
SPRING BREAKERS

監督、脚本:ハーモニー・コリン
製作:クリス・ハンレイ, ジョーダン・ガートナー, デヴィッド・ザンダー, チャールズ=マリー・アントニオーズ
製作総指揮:フェルナンド・サリシン, テッド・フィールド, ジェーン・ホルザー, ミーガン・エリソン, ステラ・シュナーベル, アニエス・ベー, ヴィンス・ジョリヴェット, マイルズ・レヴィ, ウィックス・ウォーカー, エイシャー・ウォルシュ, クリス・コントグーリス
撮影:ブノワ・デビエ
プロダクションデザイン:エリオット・ホステッター
衣装デザイン:ハイディ・ビヴェンズ
編集:ダグラス・クライズ
音楽:クリフ・マルティネス, スクリレックス
出演:ジェームズ・フランコ, ヴァネッサ・ハジェンズ, セレーナ・ゴメス, アシュレイ・ベンソン, レイチェル・コリン, ヘザー・モリス, グッチ・メイン

party映画を撮っても、コリン特有のコラージュ的編集は健在だったね。
冒頭に流れる重低音のDub Stepが最高。




2014年8月22日金曜日

授賞式、打ち上げ。

最終日、closing ceremonyの日。


この日はLilyさん、Yukikoさんと昼飯を食べましょうというコトになり、
新村駅近くの鍋屋に行く。
昼間っから鍋、、と思いきや今回の渡航で一番お腹に優しい食べ物でした。
あっさり塩味を久しぶりに食べた気がする。。
しっかり腹ごしらえをして会場へ。



会場には徐々に人が集まってきて、


LilyさんのTAP DANCEでceremonyスタート。
自分の上映と同じくらい気になっていたshow caseでしたが、
やはり歴戦の強者。
アドリブでも圧巻のパフォーマンスでした。


そして、授賞式スタート。


グランプリは実験的なドキュメンタリー作品"Ash : RE"。
今回は受賞は叶いませんでしたが、
フェスティバルのプログラマーや監督さんと仲良くなれたのもあり、
賞以上に実りのある出会いが多かったのが収穫だね。
期間中に次回作を楽しみにしていると多くの人から好反応を頂いたのも
励みになるね。


ceremony終了後は打ち上げとなり近くの居酒屋へ。
Brooklynに行った時もこんな感じだったけど、
映画祭の打ち上げって結構ラフなんだよね。
まぁ、このくらいの感じの方が僕はリラックス出来て楽しい。
心置きなく飲めるしね。

ってな感じで、
TOOWAII in NeMafのBlogもこれで最後でございます。
今回は色々と経験になったし、良いコミュニケーションが築けて
楽しい映画祭でした。来年も来れたら良いな。

さて、これから次の準備です。
今年はまだ夏真っ盛りね。

Special Thanks
古山さん、Lilyさん、Yukikoさん、Konoさん、
Festival Staff、Kimさん、Limさん、Suanさん、Jinahさん、Gabrielさん、
A-jinちゃん、Da-wonちゃん、Seominちゃん、Hyo-jinちゃん、
Nestorさん、Fraciscoさん、Janeさん。
そして、My short film cast & crew & My mother & Father。

2014年8月21日木曜日

DRAWING SHOW in Seoul

先日のクラブ紹介に引き続き今度はshow caseをご紹介。
ソウルの弘大にあるエンターテイメント施設にて
Drawing Showを観てきました。




会場への階段には出演者がおそらく描いたであろう壁画やポスター、
CASTING等が展示。

showが始まると様々な"描く"技法を駆使して作品を造り上げる。
それが、音の展開と完全にシンクロしていて
テンションが上がる。


見せ場を造る為の演出も凝っていて、
ダンスやパントマイムを交えながらの構成や
お客さんを巻き込んで造り上げていくshowは観ていて飽きない造りだった。


こんな風に客席にも降りてきてパフォーマンスをしたり。


撮影OKなシーン(基本撮影禁止)ではこんなお茶目なポーズをしてみたり。
これは、ペインターというより芸人の域に達しているなぁ。。。
とシミジミ感じてしまいました。



中央のナポレオンは描かれた作品。
サササッと描いてしまうもんだから見とれちゃうのよね。



会場には中国の観光客が多く、終わった後は記念撮影に人が殺到。
すっかり虜になっちゃっているからこれは仕方ないなと思えてしまう。

描き方の種類が豊富なのもさることながら、
照明や、光に反応して見える絵の具の使い方、
また、それらの見せ方の上手さ等、
演出的にも優れたshowでした。
出演者の全員がダンスの心得がある感じだったね。

そして、こういうshowをバックアップする体制がしっかりしていた。
映画祭の人と話してて皆「韓国のbreak danceは世界一だよ」と
豪語するのだけど、その下地がしっかり出来ている感じがした。

日本でもスパルタニックロッカーズというダンスチームが
世界タイトルをとった事があるから
showの技術的にはそう大差はないと思うけど、
バックアップの体制がまだまだだよね。
常設で観られる場所って聞いた事ないし。。
劇団四季とか宝塚くらいか。。
日本でもshow caseが普及すると良いね。

そんな違いを感じながら、
ドローイングの技法を自分の作品でも取り入れてみたいなと
勉強になったshow caseでした。

2014年8月20日水曜日

韓国でCLUBBINGの巻

映画祭での行事の間に
韓国のNight Clubに行ってきました。

やはりparty peopleたるものどこの国に行ってもクラブ事情は気になるトコロ。
今回は2件だけでしたが、
どちらも特徴がある面白いクラブでした。




一件目は弘大(ホンデと読みます)の中心地にあるCocoonというクラブ。
街自体も若い子が多く20代前半の子達が多い場所。


地下にサブフロアーがあるけど、
どちらもEDM全開な感じの選曲だった。


映像がLEDでカッコいい。
後に紹介するクラブも同じだったけど、LEDプロジェクターが主流なのかね。
映像の見栄えは凄く良い。

Facebookページを探したら出てきたので載せときます。
スケジュールとか雰囲気を窺い知る事が出来る。
https://www.facebook.com/clubcocoonseoul


ブレてしまったけどスピーカー。
これ、Agehaと同じモノじゃないですかね。
音圧が凄かったね。


店員さんもノリが良い。
この日は水鉄砲でお客さんを襲撃してた。
泡パーティならぬ水パーティな感じ。
騒ぎたいならここはおススメ。


2件目はイテウォンにあるB-oneというクラブ。
この辺りは外国人が多く、東京で言うと六本木みたいな雰囲気の場所。



内装はこちらの方が大人向け。
客層も20代後半から30代半ばといった感じ。
服装も少し大人びた感じ。
後で知ったんだけど、
韓国の著名アーティストがここでPVを撮ったのがキッカケで
一気に有名になったのだとか。
確かにこの内装は画的に映えるなと思った。


フロアーは2つあって、どちらも選曲が僕好み。
バキバキな感じではないけど、とても踊り易い。
BPMはcocoonよりちょい低めかな。
でも、グルーヴがあって居心地も良かった。
映像も内装にとけ込んでて違和感無かったね。

WEB SITEはこちら。
http://b1itaewon.com

日本のDJも何人かplayしているらしく、
今度、NORIさんもここでやるらしい。
NORIさんをブッキングする所をみると、
PVで有名になったとはいえ、
かなり玄人向けな感じがするね。

他にも回りたいクラブはあったけど、
スケジュール的に限界だったので、今回はこんな感じ。
次回行くときはVJで参戦したいね。

2014年8月18日月曜日

映画祭で観た作品いろいろ。

授賞式をBlogで書く前に映画祭で気になった作品をご紹介。
上映だけで50作品近くあるので、全ては見切れなかったけど、
ドラマから実験映画、グラフィックムービー、ドキュメンタリーと
幅広いジャンルの作品が上映されたので、
とても刺激になった。

さて、そんな中からご紹介した作品はこちら。



「Dirty Harry」
あのハードボイルド映画に影響された作品。
今の韓国映画を象徴している様なテイストで
テンポや色調が凄く良かった。




「App Sapiens」
カーナビのナビゲーターに人工知能があって、
目的地まで案内するんだけど誤作動が生じてって話。
こっちも今のテイストを象徴している感じ。
サスペンスの造り方がとても上手だった。




「Liar」
T2と同じコーナーで上映した監督さんの作品。
嘘をつく2人の男女の話。
監督は先日のBlogでも紹介したJoungさん。
留学先のスイスで撮影されていて、
女性らしい繊細なテイストと知的な印象がありました。



「Magic Mirror」
こちらはイギリス人の映画監督Sarah Pucillさんの作品で、
90分の実験映画。
フォトコラージュや騙し絵の様な手法を使って、
そして、フィルムで撮られていた。
この時代にフィルムって、しかも実験映画!
本人同様、作品もエネルギッシュでした。



Reiterations of Dissent
こちらはオープニングで上映されたドキュメンタリー映画。
監督はデンマーク人のJane Jin Kaisenさん
韓国で起きた事件についての話。
今回、Janeさんの作品を通じて"Ethnography=民族誌"というジャンルがある事を
初めて知った。



こちらはグランプリを獲った「Ash : Re」という作品。
都市の風景をただ淡々と切り取っただけの作品で、
ドキュメンタリーなんだけど唐突にCGが入ってきたりと、
予測不可能な感じがした。
劇映画だけどツァイ・ミンリャンの作風に似ていて、
Fixの1カットがとても長い。
会場では寝ている人もチラホラいて、
その光景もなんだか不思議だった。






今回、もう一つ収穫だったのは、
Animation Documentaryというジャンルを知れた事。
上からミッキーマウスの中にいる人にインタビューを敢行した「The Man Inside Mickey
EUに亡命して来たSharafという男の子の話、「Sharaf」
ドキュメントをアニメで表現するという考え方に
親しみを覚えたけど、その手法の多さにも興味がわきました。



日本で言う「海女」を取り上げた作品、「Granma Ocean」
こちらは声高でない等身大のセンスが感じられるほのぼのした感じが良かった。
監督はKANG Hui-jinさんとHAN Ah-ryeomさん。
ゲストトークで2人でアニメーションを造る時の整合性の取り方など、
色々と為になる話を聞く事が出来た。

どれも、一癖も二癖もある作品で、
ここに選ばれる理由が何となく感じられた。
こういう実験的な映画祭、日本でも沢山やってくんないかな。


2014年8月17日日曜日

T2 Movie selection vol.290

黒い眼のオペラ(2006)
黒眼圏
I DON'T WANT TO SLEEP ALONE

監督、脚本:ツァイ・ミンリャン
製作:ブリュノ・ペズリー, ヴィンセント・ワン
製作総指揮:サイモン・フィールド, キース・グリフィス, ヴァウター・バレンドレクト, マイケル・J・ワーナー
撮影:リャオ・ペンロン
出演:リー・カンション, チェン・シャンチー, ノーマン・アトン, パーリー・チュア

長い1シーン1カット。しかもほぼFIXという割と挑戦的な作品。
傷を負った男が助けられる所から始まる物語。
一つ一つがとても静かに淡々と進行する。
ハリウッドだと3分で終わっちゃいそうな話を
丁寧に描いている。


2014年8月15日金曜日

韓国の映画博物館 at Seoul International New Media Festival

明日はいよいよclosing ceremonyという感じなんだけど、
その前に韓国の映画史が観られる博物館に行ってきたのでご紹介。



ソウルの歓楽街から少し離れた所にある、
Korean Film Archiveにて先日帰国したデンマーク人の映画監督、
Jane Jin Kaisenさんがプレゼンをすると言うコトで同行する。



近くには韓国のTV局が入っているビルも建ち並んでいて、
東京で言えばお台場のような場所。



ここにも映画祭のポスターが貼られていた。
ここら辺の宣伝力はホント凄いなと思います。
そこかしこで観てるからね。



Janeさんのシンポジウムは"Ethnography in the digital age"という
デジタル世代の映像作家達の民族誌についてのトークショー。
先日のスペイン人のVideo Artのプレゼンでも感じたけど、
海外の人は自分の国の文化のアピールの仕方がホント凄い。

日本も過去の映画監督、例えば川島雄三とか中平康とか
再度、紹介したら良いのになと思います。
日本では何度も回顧展やっているのにねぇ。
『しとやかな獣』とか韓国でも受けると思うんだけどな。



その後、併設の映画博物館を観に行く事に。



話題になった映画の画コンテや





映画、というより映像の成り立ちを紹介する機器が展示されていて、
一般の人も楽しめる場所になっていた。
miniDVが過去の遺産になっていたのが何とも。。
確かに今じゃ殆ど使われてないしね〜(笑)



弁士が講演する様なサイレント映画時代のセットも置いてあった。
韓国映画も歴史は古く1903年からで、
年代によっては戦争に関わる作品も多く造られていた。
どこの国も映画は戦争に翻弄されているね。

そんな影の部分も垣間見る事が出来た貴重な体験でした。

2014年8月14日木曜日

Networking Night in Seoul International New Media Festival

プレゼンテーションの後、韓国の映画監督やアニメーターが集まる交流会に参加。


到着した会場では制作した作品のプレゼンテーションがやっていた。
堅苦しい感じはなく、皆にアルコールが配られ
「後は流れで勝手にやって」という感じだった。
色んな国の人達がいる場合、そっちの方がかえって盛り上がったりする。

T2作品に字幕を付けてくれた人や上映会での他の監督さんに再会する。
やっぱり上映順の話になったね。僕が感じてた事と同じだった。
上映前って他の人の作品を観ていたりするから緊張するんですよ。
そういった感覚ってどこの国の人も同じなんだね。
何か親近感が湧きました。

初日と違って今回は色々とお話し出来たかな。


今回の映画祭で色々とアテンドしてくれているA-jinちゃんとその妹のHyo-jinちゃん。
姉妹で映画祭のスタッフって良いね。
2人とも気遣いが丁寧でとても助かってます。
A-jinちゃんは映画祭をプロデュースするのが夢なんだとか。
是非、その時はT2作品を上映して頂きたいっ(笑)


チーム"ENSEMBLE"とSeogyo art spaceのコーディネーターさん。
ClosingでparformanceをするLilyさんのステージに色々と気を使ってくれてた。


僕の前にいるソニックザヘッジのT-shirtsを来ている人は、
スペインで映画祭をしているキュレーターさん。
会場に来る道中、ソナーの話で盛り上がる。
ビデオアートからのライブパーフォーマンスという流れがあったからなのだろうか、
エレクトロニカ系の音楽やAUDIO VISUALが根付く理由も少し解った気がする。


T2 with 韓国の映像作家達。
右からJoungさん、Jae-yongさん。
Joungさんはスイスで、Jea-yongさんはドイツで映像を撮っていて
今回の為に来たのだとか。
2人の作品を観たけど他の韓国のディレクターと質感が違ってたね。
真ん中のJoungはTOOWAII作品と同じ日に作品を上映した監督で、
知性を感じさせる作品が彼女の風貌と一致していた。
やっぱ作品ってその人の顔だよねー。


こんな感じで堅苦しさも話しかけ辛さもなく、とても居心地の良い一夜でした。
しかし、連日飲みが続くとさすがに身体にきますな。
そろそろ休肝日が必要な予感。