2014年3月14日金曜日

下衆の極みに笑わされ。

映画館のCMを観ていていつも思うんだけど、
他の予告編に比べて映画泥棒のCMだけ音圧が低い様な気がします。
せっかくインパクトがあるんだから何だか勿体ないよね〜。
なんてコトを思いながら六本木ヒルズの映画館で
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』を観てきました。

『タクシードライバー』も『レイジングブル』も『カジノ』も観てはいるけど、
そこまで馴染みのなかったスコセッシ映画。
最近『クンドゥン』を観たのもあって僕の中ではタイムリーな監督。

お話は26歳にして証券会社を設立し年収46億円を稼いだ男の栄光と破滅の話。
なんだけど、
暗い雰囲気はなくキツいユーモアのあるコメディタッチの作品でした。
株で稼いだ金は、クルージングPARTYや売春婦に使いまくる。
酒やドラッグもやりたい放題っていう乱痴気っぷり。
凄まじいプレッシャーの中で稼ぎ出していくからこそ、
そのストレス解消としてのコレなんだなと思わせる乱交シーンだった。
この作品全体を覆うカオスっぷりが主人公のジョーダン・ベルフォードの世界観であり、
テンションの高さがスコセッシのエネルギーを表現しているんだなと思いました。

撮り方も映像制作に関わる人間として参考になるシーンが沢山あった。
『クンドゥン』を観た時も感じたけど、スコセッシ映画って編集の切れ味鋭いね。
緊迫感を出す時のカットバック、FBIの尋問シーンは
お手本にしたいくらいの編集だった。
これらは関わっているエディター、セルマ・スクーンメイカーさんの功績でしょうかね。
撮り方も唸るシーンが多かった。
ナレーションを引き継ぐ形で劇中のディカプリオがカメラ目線で語りかけたり、
トレーニングシーンでの鏡の使い方、ナイトクラブをスローシャッターで撮影する等、
僕好みの画造りが多かった。

上映は21時くらいから始まって終わってみれば24時前。
3時間近くあるのにテンションがダレるコトがないエネルギッシュな作品でした。
作品は下衆の極みみたいな内容なのに、終始笑わされてしまうという。。
劇場でも笑いが自然に漏れてました。

71歳にしてこの作品!
そして、『クンドゥン』から『ウルフ・オブ・ウォールストリート』までっていう
作品の振れ幅!
本当エネルギッシュな人だなぁ。。

次回作に遠藤周作の『沈黙』を予定しているっていうんだから、
恐れ入ったぜという感じです。

まだまだ上映中なので、
是非スクリーンで観て欲しい作品です。
詳細はこちらから。
http://www.wolfofwallstreet.jp

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