2014年3月20日木曜日

登場人物少ない系映画に新たな作品がリストアップされたね。

登場人物が少ない映画、古くは『水の中のナイフ』や『内なる傷跡』、
最近でいうと『ゼログラビティ』とか。
コンセプチュアルな作品が多いのが特徴的で好きなジャンルだけど、
(まぁ、そんなジャンルないんだけどw)
先日観た『オール・イズ・ロスト』も同じ様な傾向の作品だった。

しかも、『オール〜』は台詞も殆どない。
舞台は大海原、一艘の船が遭難しかかっている所から始まる物語は
その後の展開を観客に想像させる内容だった。
『ゼログラビティ』では、サンドラ・ブロックだけでなくジョージ・クルーニーも
出演していたが、
この作品は、全編最後までロバート・レッドフォード一人。

船に乗るに至った過程くらいは描かれるだろうと思っていたら、
冒頭のナレーションであっさりと語られるのみ。
漂流していた貨物船の積荷が衝突して船に穴があく所から物語が始まる。
そんな始まりだけに「これどうやってドラマを造っていくんだろう」という事ばかり
気になってましたが(笑)、
シーンごとのディティールをとても丁寧に描いていてじっくり観られました。
芝居もオーバーリアクションは一つもなく、それも丁寧だなと。
自然の風景カットも少なく、ひたすらトラブルを乗り越えていく姿が描かれてました。
演技やカットのみならず、作品の造りも大手のアメリカ映画がやりそうな
ステレオタイプな感じではなく、
むしろタル・ベーラの『ニーチェの馬』のようなミニマルな感じさえした。
最後もスパッと終わって潔い構成でした。

海のど真ん中で、船一隻、そしてロバート・レッドフォード。
これって結構低予算で造られたんじゃないすかね。
(モチ、レッドフォードのギャラは凄かったと思うけど。。)
それでも、面白く造れるのは構成やディティールの細かさが効いているという訳か。

殆ど台詞がないだけに構成でみせる事を重視した為か、
釣りのシーンがそれまでの度重なるトラブルがあっただけに
不謹慎にも笑えてしまった。

トラブルで言えば、
船に穴があき、ひっくり返り、帆が折れ、救命ボートで脱出、SOSは無視され、
海にも投げ出される。そして釣り。
次から次へとやってくるトラブルを悲観せず淡々と乗り越えていく。
で、そんなレッドフォードを観ていると
この作品が、シチュエーションが実験的だからなのか、
伝えたいテーマが凄くよく解るのが不思議。
それ以外に思いつかないくらい解り易い(笑)
敢えて言わないけど、観た人全員に多分伝わると思います。

そんな実験的な作品だったけど、
劇場では、中高年の人が多く来てました。
やっぱり皆さん、サンダンスキッドに熱中した世代?

そんなこんなで『オール・イズ・ロスト』、
まだまだ劇場でやってますので、
ご興味ある方是非行って観て下さい。
詳細はこちら。

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