2015年9月9日水曜日

映画『バクマン』を観て、町の豆腐屋と大手スーパーマーケットとの力関係を思い出すの巻

縁あって映画『バクマン』の試写会に行ってきた。
人気漫画の実写化という事で批判も色々とありそうだけど、
個人的には面白かった。

原作とは似ていないキャラクターもいたけれど、
そういう事は僕は気にならなかった。
多分それは編集社という過酷な現場に
"実際にいそうな人間"がシッカリと描かれていたからだと思う。
”リアリティを感じた”という事だよね。

構成やアイデアを思いつく時の心理描写など、
セリフで語らずに画で魅せる上手な演出だった。

おススメな一品。

であるのは認めた上で。。


何故だか不思議と観ているうちにイライラしている自分もいた。


劇中では漫画の創作過程をプロジェクションマッピングで表現したり、
日本では(実写では)あまり使われていないDance Music(しかもDEEP HOUSEっぽい!!)が
劇中の音楽として違和感なく使われていた。
いかにも間延びしそうな"四つ打ち"がバランス良く使われていて
バトルシーンなどはオーディオヴィジュアル的なニュアンスもあった。

でも、
それら(プロジェクションマッピングやオーディオヴィジュアル)は
僕らインディペンデントで活動している人達が
小規模ながら何度も試行錯誤をしたりしてようやく辿り着いたモノを資本と人足を大量に使って造り上げたものに近く、

例えていうなら、
下町の豆腐屋がこだわって作っていた一品を
大手スーパーマーケットが近くにやってきて資本にものをいわせて
大量生産し始めた構図に近いモノがあって、
何ともいえないモヤモヤとした気分になった。

繰り返すが、作品はとても面白かったし、
アニメを実写化する時に出てくる演技的な違和感も(TVドラマっぽくあるけど)、
そこまで感じられなかったし、おススメ出来るかと言われればお勧めなんです。

でも、何か釈然としない感覚だけは残ったというか。

ぱっと思いついたのは、
プロジェクションマッピングは、もう既にやり尽くされたのだなと。

思えば、こうやって作品に使われる以前に企業が広告に使い始めた時点で
もう新しい分野ではなくなっていたんだというのも再確認した。

ってコトは次ぎにくるのはダンスミュージックの使用機会が増えると言う事か?
全編EDMのオンパレードなんて事も出てきたりして(笑)

まぁ、いつの世もこういうコトはあるワケで、いつまでもウダウダ言ってられない。
小さな規模で大手のやっている事に対抗するとしたら、どんな発想が必要なのか?

フットワークを軽くして色々と動く必要があるね。
大手には出来ない事をやらなければ風向きは変わらない。

そんな事を考えた貴重な試写会だった。

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