2015年10月23日金曜日

ゴリ押しの力強さ。

恵比寿ガーデンシネマにて『さよなら人類』をようやく観てきました。
音楽ユニット「たま」の歌に出てきそうなタイトルの作品だけど、
(音楽ユニットの〜と注釈がないと解らなくなってしまう程、時は過ぎてしまったのねw)
ヴィジュアルのインパクトは凄まじかったな。

何が凄まじかったかって、
●全シーン1シーン1カットでFIX。登場人物のアップがない。
●登場人物の顔が白くて生気がない。
●建物や群衆が登場するシーンもあるのに全てセット撮影

他にも色々と特徴的な事は多々あるけど、この作品を観て印象に残らない人は
いないんじゃないかとさえ思いました。

監督したのはロイ・アンダーソンというスウェーデンの映画監督なんだけど、
この作品もDVD購入しちゃいそうな感じ。

シナリオの本とか読んでて、
やれ「ドラマとは人物を活写することである!」とか
やれ「芝居で人間を生き生きと描け!」みたいなことをよく目にするけど、
これほど人間が生きてない作品も珍しい。。。

劇中に出てきた馬や犬の方がイキイキしている感じすらあるという(笑)
(これは決して批判しているわけではないのよw)

『散歩する惑星』、『愛おしき隣人』に続く"リビングトリロジー3部作"の最終章ですが、
前2作を観ないでチェックしても問題なく楽しめるので、
『さよなら人類』、未見の方は劇場で観る事をおススメします。

勿論、前2作もTOOWA2的に超おススメです。

と、ここまで書いて肝心のストーリーについてまだ話してませんねw
というか、話があるんだかないんだかという感じなんです。
本筋は一応あって、おもしろグッズを売るサムとヨナタンの周りで起こる
色々な出来事がメインストーリーなんだけど、いきなり脱線するし。

「えっ?、このシーンってあまり関係ないよね?」みたいな画がいきなり入ってきて、
一瞬「???」ってなるんだけど、画の不可思議さとこれ見よがし感が全くないので、
なぜか観れてしまうという。。。

パンフを観ると制作スタイルについての言及があるんだけど、
始めから正確な脚本がなくシーンを物語る簡単なスケッチに沿って撮影していき、
あとで、並べ替えて映画にするという特殊なスタイルで作品を造っている。

CF監督としてのキャリアが長い人だから色んな手法を知っているだろうに、
あえてこのスタイルで貫く姿勢に感嘆でした。

ご興味ある方は是非、劇場で観てみて下さい。
詳細はこちら。
http://bitters.co.jp/jinrui/

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